Shikisai (by AmaLee) 歌詞和訳
最近、英語のリスニングを鍛えたいなあ……と思っていまして、アニソンの英語ver.を作業用BGMとして聴くことにハマっています。
実際リスニングの練習になるかはおいておいて、Apple musicでアニソンを検索すると本家よりも英語カバー曲がひっかかることが多くあります。
その中でも、AmaLeeさんというアーティストがものすごい数の日本のアニソンをカバーしており、歌も上手いし発音も綺麗、ということでずっとこの人を聴いている毎日です。
元々(英語がわかりやすい) 洋楽の歌詞を和訳するのが個人的な趣味の一つだったので、リスニングの練習で歌詞を見てるとウズウズしてきまして、ちょっと今日はそれを吐き出したいと思います。
曲はFate/Grand Orderのテーマ曲「色彩」。リンクはこちらです↓
Fate/Grand Order - "Shikisai" (FULL Opening) | ENGLISH Ver | (AmaLee)
FGOは自分もプレイしているので坂本真綾さんが歌う原曲はよく耳にしているのですが、日本語歌詞はあまり意識してなかったし、ほとんど知らない状態でとりあえず訳してみました。
こういった歌詞の和訳は難しい部分も多いのですが、僕は「基本直訳だけれど、歌詞として成立するように、リズムや文意を重視して意訳をする」という方針をとってます。それでもだいぶ僕自身の解釈が入ってきている部分もありますので、ぜひ英語歌詞、僕の和訳、そして原曲日本語歌詞 と比較してみてください。
- Shikisai ENGLISH Ver (AmaLee) -
Whenever I'm alone, a voice will resonate
一人になるといつも、声が響く
It says it knows the way to take away the pain
楽になる方法を教えてあげる、とその声はささやく
But I can see the truth;
A black hole in disguise
でも甘い微笑みと張り巡らされた嘘の奥に
Hiding behind a charming smile
And sweet, caculating lies
ひた隠しにされた黒い穴が見えるんだ
I try to imitate the way you always speak
あなたの優しい話し方をなぞろうとした
As if I could convince myself that nothing's wrong
何も間違ってないと自分に言い聞かせるように
But in the end I wouldn't care that it's a lie
If it can keep me strong
でも結局、私を支えてくれる限りはそれが嘘であっても構わない
Then let the lie carry on
だから嘘は続いていく
If the reality of life is we must one day meet the end
いつの日か終わりと向き合わなければならないのが現実だとしたら
Why do we waste the time we have lamenting what no one can change?
誰も変えられないことを嘆く暇がどこにあるだろう?
That moment when, you understand
Your final day's at hand
終わりの日が近いと悟る、その瞬間にようやく
You suddenly see the world's beauty
As if it were taken from a dream
夢から解き放たれたように世界は色にあふれ出す
I only see a single destiny awaiting up ahead
たったひとつの運命だけが待ち受けていた
I never dreamed that I would watch it fall for all eternity
それが永遠に来ないことなど決して夢見ない
Each passing day - Each single dream
過ぎゆく日々、抱いた夢の一つ一つが
They mean the world to me
私にとっては世界そのものだから
And through every moment
そうした時を重ねていく中で
I'm grateful I live in the same world as you
あなたと同じ空の下にいることに感謝しているんだ
So that I don't forget
忘れないように
Even when I'm asleep
眠っている時でさえ
The dream before my eyes is playing on repeat
まぶたの裏で繰り返し夢が流れて行く
It's so ironic
それは皮肉でしかなくて
Oh the beauty is a sin
ああ、鮮やかな世界は許されないんだ
Somebody wake me up
誰かが私の肩を叩く
Before the dream pulse me in
夢に引き込まれてしまう前に
Until the day we say goodbye
さよならを言うその日まで
I'll stay forever by your side
あなたのそばを離れない
And if that day may be tomorrow
それが明日のことだったとしても
There'd be no regret in me
一片の悔いも私にはないよ
I'll pave the way
私は道を開いてみせる
For you who gave the colors in my heart
心に色彩をくれたあなたのために
I want to forever remember this beautiful
world you've shown to me
あなたが見せてくれた美しい世界をずっと覚えていたい
Red - Indigo - Water
赤、藍、水
Rainbow - Blue Sky - Every Color
虹、空、色
I'm not a goddess, and nor will I ever be
私は女神なんかじゃないし、そうなるつもりもない
All of my prayers, they will stay silent inside of me
すべての祈りは私のなかで静かに降り積もる
And I won't worry what they all might say
何を言われようと気にしない
Cause I know what's important
大事なことはわかってるから
And I'm fighting for it each single day
そのために一日一日を戦い抜く
All of my life I've only had one single wish and nothing more
人生を通して、たった一つだけ願っていた、それだけだった
When will the future I've dreamed to meet appear in front of me?
私が夢見た未来はいったいいつ現れるのだろう?
It's you who brought this loneliness to light and gave it life
この孤独に光を当ててくれたのは、あなたなんだよ
You've shown me a reason to always remember that I am not alone
私が一人じゃないと思い出す理由をくれたんだ
I only see a single destiny awaiting up ahead
たったひとつの運命だけが待ち受けていた
I never dreamed that I would watch it fall for all eternity
それが永遠に来ないことなど決して夢見ない
Each passing day - Each single dream
過ぎゆく日々、抱いた夢の一つ一つが
They mean the world to me
私にとっては世界そのものだから
And through every moment
そうした時を重ねていく中で
I'm grateful I live in the same world as you
あなたと同じ空の下にいることに感謝しているんだ
坂本真綾さん歌唱の原曲「色彩」の歌詞は以下から見られます↓
https://www.uta-net.com/song/179129/
訳してみて、「こんな歌だったんだな」と思ったのが正直な感想でして、少しだけ解釈を述べておこうと思います。
訳を読んでわかるとおり、この曲は誓いの曲で、「私」が「あなた」に助けてもらったこと、感謝していること、そしてその思い出を胸に生きていくことが繰り返し歌われています。
二人の間に何があったのか、「私」はどういう人物なのか、それはもちろん具体的ではありませんが、重要なキーワードとなるのが
"Color"、そして "Beauty" だと自分は思いました。
Colorは直訳すれば「色」ですが、ここではタイトルでもある「色彩」と訳すのが正しいでしょう。
「私」は「あなた」のおかげで色彩を感じられるようになった。いったい何の色彩か。
「世界」の色彩 (自分の知らなかった外の世界についての知識)
もしくは、
「心」の色彩 (豊かな感情) の二つが歌詞からは読み取れます。
これらの色彩を「私」は認識したことで、「世界の美しさ」(=beauty) に気づくことになるのです。
FGOと絡めるなら、マスターのおかげで世界の広さや自分の生きる意味を見出したマシュが思い浮かびますが、ここではあまり深掘りはしないことにします。
ここまであまり特別な解釈は述べていませんが、ColorとBeautyの関係が確立できると、難所であった" Oh the beauty is a sin"の意味がなんとなく見えてくると思います。
sinとは、宗教上の罪 (聖書などでは「原罪」と訳される) を意味します。
直訳では、「美しさは罪だ」となり、突然のナルシスト感が意味不明になってしまいますが、beautyを「世界の美しさ」ひいてはcolorとの関係を含めて「色鮮やかな世界」と捉えれば、「私」の置かれた環境ではそういったものは否定されている、ということが伝わります。
他に難しかった部分は、サビの"I never dreamed that I would watch it fall for all eternity"ですね。
itは前の文からdestiny (運命) を表していると思われますが、fall forがわからない。
調べると「だまされる」という意味があったので、
「運命がすべての永遠にだまされる」→「来るはずの運命が永遠の後に追いやられる」→「その運命は永遠にやってこない」
というような解釈のもとに訳してみましたが、いささか無理があると自分でも思います。
内容的な点に話を戻すと、1番サビ以降は割とわかりやすいのに対してその手前までは少し難解です。
原曲の日本語歌詞と照らし合わせて考えてみると、
最初の「声」は「あなた」ではなく第三者の誘惑で、甘い言葉の裏側には黒い穴のような悪意が透けて見える。
それを打ち払うために「私」は「あなた」の口癖 (?) を思い出す。それは優しい嘘だったとしても誘惑から身を守れるならばそれでいい。
そういうことかなあと思います。
英語歌詞の和訳は英語力よりも日本語力、読解力が鍛えられますね。AmaLeeさんの曲はたくさんあるのでまたそのうちに挑戦してみます。